
2025年6月30日、カプコンから配信された『モンスターハンターワイルズ(以下、ワイルズ)』の無料タイトルアップデート第2弾が、思わぬ騒動を引き起こしています。
Ver.1.020.00|Update Information|MONSTER HUNTER WILDS|CAPCOM
Steam版において、ゲームの起動によりPCがクラッシュ、最悪の場合、PC本体が故障するという深刻な不具合が報告されました。
特に注目されたのは、モンハン系実況者として知られるMハシさんのケース。彼のPCが、ワイルズのアップデートをきっかけに実質「使用不能」になったという内容は、SNSでも話題になっています。
今回は、この事件の経緯、原因とされる「時限爆弾CPU」、そしてユーザーが取るべき対策について詳しく解説します。
目次
事件の発端:Steam版アップデートの不具合
カプコンの公式発表によると、以下のような不具合が発生していました。
「ゲームプレイ中にシェーダーのコンパイルが行われ、CPUの負荷が高くなり、動作が不安定になる場合がある」
つまり、ゲームプレイ中にリアルタイムでシェーダーがコンパイルされてしまい、CPUに過度な負荷がかかる設計ミスとも言える問題が存在していたのです。
この不具合は、アップデートによって「ゲーム初回起動時にシェーダーを事前コンパイルするよう修正」されたとのことですが、すでに被害に遭ったユーザーの被害は深刻です。
公認配信者MハシさんのPCがクラッシュ地獄に
Mハシさんはカプコン公認の実況者で、ベータテスト中は問題なくプレイできていたそうです。しかし、正式リリース後のアップデートを境に、次のような症状に悩まされました:
•起動はできるが、「フレームレート生成」を有効にすると即クラッシュ
•通常プレイ中もランダムにクラッシュ
•運が悪いとPCごとブルースクリーン → 再起動不能
ゲーム起動までに30分以上を要するなど、もはや正常に遊ぶことが不可能な状態になったそうです。
CAPCOM公式の対応策はすべて試したものの、状況は改善せず。配信中にファンからのアドバイスで判明したのが、PCに搭載されているCPUに起因する可能性でした。
問題のCPU:「時限爆弾」と呼ばれるIntel第13・14世代
今回の騒動で注目されているのが、Intel Core 第13世代・第14世代CPUです。
一部で「時限爆弾」と呼ばれるこれらのCPUは、高負荷時に過剰な電力を消費し、マザーボードや電源にまでダメージを与えるリスクがあると指摘されています。特に以下のような構成を持つPCは注意が必要です:
•Intel Core i9-13900K / i7-13700K / 14900K など
•高負荷時にパワーリミット(PL1/PL2)無制限で運用している
•初期BIOS設定のまま使っている
この「爆弾」が作動するタイミングは予測不能で、今回のようにゲーム側のアップデートが引き金になることもあるみたいですね!
BIOS書き換えで一時的に解決も…新たなクラッシュ地獄へ
Mハシさんは最終手段として、マザーボードのBIOSを更新。これにより、CPUの電力制御設定が適正化され、時限爆弾の危険性を抑えられることが知られています。
しかし、それでも解決には至りませんでした。次に疑ったのはグラフィックドライバー。
一部のユーザーから「NVIDIA ドライバー 566.36が安定している」という情報を得てインストールしたところ、なんと完全に起動不能な状態に悪化。結果的に、ゲームどころかPCが一切立ち上がらない事態に発展しました。
他ゲームでは一切起きない=「ワイルズだけがトリガー」
特筆すべきは、この問題がモンハンワイルズ以外のゲームでは一切発生していないこと。Mハシさんは他の最新3Dゲームも配信で多数プレイしており、クラッシュ報告はありません。
つまり、ワイルズの特定の描画処理やCPU負荷のかけ方が非常に異常である可能性が高いのです。
ユーザーが取るべき対策は?

この問題に直面している、あるいはこれからワイルズをSteam版で始めようとしているユーザーは、以下の対応を検討すべきです:
BIOSを最新に更新する
Intel第13〜14世代を使っている場合、マザーボードメーカーの公式サイトからBIOSを更新しましょう。電力制御が緩和され、最悪のケースを回避できます。
シェーダーコンパイル済みの状態で起動させる
アップデート後は初回起動時に自動でシェーダーコンパイルされるようになったとはいえ、SSDの空き容量や他アプリの同時起動に注意。
グラフィックドライバーのバージョンを慎重に選ぶ
特定のドライバー(例:566.36)が不安定になるケースが報告されており、公式推奨バージョンや安定版を使うのが無難です。
クラッシュのログ・イベントビューアを活用
WindowsのイベントビューアやSteamのログファイルで、どのタイミング・処理でクラッシュが起きているかを確認すると、原因の切り分けが可能です。
まとめ:ゲームがPCを壊す時代に突入?
今回のモンハンワイルズSteam版の件は、「ゲームがPCハードウェアに直接的な損傷を与えうる」という、ユーザーにとっては信じがたい事例です。
これからPCゲームをプレイするにあたっては、「ゲームの推奨スペック」だけでなく、「最新CPUのリスク」や「BIOS設定」まで把握する必要がある時代になったと言えるかもしれません。
ワイルズをPCでプレイ予定の方は、ぜひ今一度、自分の構成と設定を見直してみてください。
また、公式からの見解とアップデートが来るまでは控えたほうが良いかもしれません。